抑うつ(抑鬱、抑欝、よくうつ、英語:depression)とは、気分が落ち込み、活動を嫌っている状況であり、そのため思考、行動、感情、幸福感に影響が出ている状況のこと。抑うつ状態(うつ状態)とは状態像であり、抑うつの症状が精神状態の中心となっていることを意味する。
抑うつ状態はあくまで気分・感情であり、生きていれば誰にでも起きる気分の落ち込みである。抑うつというだけでは原因不明の症状であり、その状態が病的と診断されると「うつ病」として治療対象となる。
[基本となるうつ病の症状]
□気持ちが落ち込む
□物事に興味がない、 あるいは楽しめない
+ プラス
下記が5つ以上あり、それらがほとんど1日中、 毎日、通常は2週間以上続いている。 ※4つ以下の場合は、抑うつ状態ということになる。
□集中力や注意力などが衰えている
□人生の敗北者だと気に病む、
□家族に申し訳がないと感じる
□自分を責めたくなったり、自分には価値が無いと思ってしまう
□将来に対して悲観的な見方をしてしまう
□自分の体を傷つけたり、死んだほうがいいと思ってしまう
□寝られない、睡眠中に眼が覚める 食欲がない
●うつ病の診断基準 (米国精神医学会 DSM-5)
死別や経済破綻、災害や重篤な病気などへの反応は、理解可能な正常な悲観反応である。抑うつの原因が全て精神障害であるとは限らない。認知症の初期症状や、甲状腺機能低下症あるいは亢進症など他の医学的疾患も抑うつの原因となりえる。
抑うつは人生の出来事の一つに対する通常の反応としても起こり、ごく一部の医学的な症候についてが医学的治療や薬物療法の対象となる。うつ病として扱われるのは、ほぼ毎日、2、3週間は抑うつであり、さらに著しい機能の障害を引き起こすほど重症である場合である。
また、うつ病という一つの診断がついたので他は考慮しないというような短絡的な診断は行われがちである。他の精神障害も原因となりえ、誤診も報告されている。安易な投薬も行われがちであるが、WHOならびに日英のうつ病の診療ガイドラインは、軽症のうつ病に抗うつ薬の使用を推奨していない。
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